令和元年度事業報告書
I. 実施事業等
1.助成金事業
(1)災害の防止並びに軽減に関する研究の助成
①若手研究者への研究助成
当法人が開設するホームページに掲載し、国内外に公募したところ
9名から応募(3,900千円)があり、業務運営委員会において審査し
た結果、5名に対して研究の助成を行うことを決定し、総額2,000千
円の助成金を交付した。助成対象者等詳細は下表のとおりである。
氏名 | 所属等 | 研究課題 | 交付額(円) |
---|---|---|---|
喜納 啓 | 横浜国立大学大学院都市イノベーション学府 博士後期課程 | 地震時の傷病者搬送における航空輸送シミュレーションの開発 | 400,000 |
田中 宣多 | 京都大学防災研究所 特定研究員 | 樹木根系の地震時挙動が斜面崩壊に与える影響の数値解析的検討 | 400,000 |
中居 楓子 | 名古屋工業大学大学院工学研究科 助教 | 「南海トラフ地震臨時情報」の対応に伴う被害軽減効果と機会費用に関する研究 | 400,000 |
大邑 潤三 | 東京大学地震研究所 特任研究員 | 災害碑のメタ分析 -伝わる記憶.伝わらない記憶- | 400,000 |
田中 俊成 | 東京大学生産技術研究所 博士後期課程 | 直径1mmの削孔によるコンクリートの圧縮強度推定 | 400,000 |
計 | 5名 | 5件 | 2,000,000 |
②研究発表会等共催(後援)の助成
当法人が開設するホームページに掲載し、国内外に公募したところ
7件の応募(3,300千円)があり、業務運営委員会において審査した
結果、6件に対して助成することを決定し、総額1,450千円の助成金
を交付した。助成対象等詳細は下表のとおりである。
名称 | 開催日 | 申請者 | 助成額(円) |
---|---|---|---|
第8回アジア土木技術国際会議(CECAR8) | 4/16~4/19 | CECAR8組織委員会 委員長 茅野 正恭 | 250,000 |
第24回水シンポジウム2019 in しが | 8/22~8/23 | 第24回水シンポジウム2019 in しが 実行委員会企画部会長 竹林 洋史 | 200,000 |
日本自然災害学会2019年度 第38回自然災害学会学術講演会 2019年度自然災害に関するオープンフォーラム「積雪寒冷期の災害に対する避難と生活」 | 9/20~9/22 | 釧路工業高等専門学校 教授 草苅 敏夫 | 200,000 |
第9回複合土砂災害に関する国際ワークショップ2019(MSD9) | 10/17~10/19 | 三重大学 教授 堤 大三 | 300,000 |
地球科学技術に関わる国際シンポジウム2019 | 12/05~12/07 | 九州大学 助教 濱中 晃弘 | 100,000 |
令和元年度 京都大学防災研究所研究発表講演会 | 2020/02/20~ 2020/02/21 |
京都大学防災研究所 所長 橋本 学 | 400,000 |
計 | 6件 | 1,450,000 |
なお、これら①及び②の事業に要する資金を調達するため、防災調査
研究助成基金のうち3,000千円を取り崩した。
③奨学寄附
本助成金事業の主財源は、「その他会計(受託研究事業)」から生じ
る剰余金であるが、本年度においては、本助成金事業を実施するため
の十分な財源の確保が難しかったため、実施を見送ったものである。
2.知識普及事業
(1)災害の防止並びに軽減に関する知識の普及
①研究報告の作成
研究論文(報告課題数16件)を取りまとめ、「研究報告第42号」(別
冊)を作成した。
②ホームページによる公表 上記の「研究報告第42号」に収録した16編
の研究論文を、当法人が開設するホームページに掲載し、広く内外に
公開した。
(2)研究報告に係る原稿執筆等謝金の支給
「研究報告第43号」の作成及び公表のため、原稿執筆等謝金として7件
704千円を支給した。
3.自主研究事業
(1)災害の防止並びに軽減に関する自主研究(課題研究等)の実施
下表のとおり、合計11件、研究受託に基づかない自主研究を実施した。
研究分担課題 | 担当者 |
---|---|
土石流災害の防止軽減に関する研究 | 水山高久 |
土砂災害の危険に曝された脆弱な居住圏における災害危険度軽減のための危険度予測の研究 | 佐々恭二 |
岡山県南部地域の重力基礎構造と地震動特性の検討 | 赤松純平 |
地すべり発生機構と移動機構の解明 | 末峯 章 |
気象災害に関する研究 | 林 泰一 |
気象災害要因の観測的及びモデリング研究 | 石川裕彦 |
河岸浸食対策に関する研究 | 中川 一 |
土砂災害の機構と対策に関する研究 | 江頭進治 |
構造物の安心・安全と長寿命化に関する研究 | 家村浩和 |
災害復旧・復興における地盤環境の保全 | 嘉門雅史 |
環境エネルギー分野における機械学習の適用研究 | 松岡俊文 |
II その他事業
1.受託研究事業
(1)災害の防止並びに軽減に関する調査及び研究
下表のとおり、合計45件、60,085,380円の研究受託を受け、調査
及び研究を実施した。
調査研究事項 | 担当者 |
---|---|
(平成30年度から継続研究の分) | |
防災推進等に関する業務(防災備品監修業務、防災に関するセミナー実施業務等) | 河田惠昭 |
軟弱地盤の改良に関する研究(その11) | 嘉門雅史 |
グラウト注入解析モデル及び斜面解析モデルの構築に関する研究(2019年度) | 岸田 潔 |
モジュラーチ工法の有効性に関する研究(その3) | 木村 亮 |
流木止設備の劣化メカニズムと機能強化に関する検討 | 角 哲也 |
砂防堰堤の設計施工の合理化に関する研究(その5) | 水山高久 |
3ヒンジアーチカルバートの縦断方向の耐震性能評価手法に関する研究(その5) | 木村 亮 |
基礎の補強や維持更新に対する地盤改良の適用性の検討 | 木村 亮 |
強震動予測レシピの高精度化 | 入倉孝次郎 |
水力資源を活用した地方創生事業に関する基礎的な検討(その4) | 井上素行 |
(令和元年度新規受託による調査研究) | |
白馬ウインドファームにおける平成30年台風21号通過時の風況シミュレーションに関する調査 | 丸山 敬 |
新潟地域のガス田フィールドの砂岩コアを用いたDCDA測定 | 林 為人 |
宇治川塔の島地区の水理模型実験結果の評価等に関する研究 | 中川 一 |
折畳み式重り置台付矢印板(エースダイナミック矢印板)の風による始動、転倒に関する風洞試験 | 丸山 敬 |
制振機構を有するケーブルにおけるモードシェイプを用いた張力等の算定に関する研究 | 古川愛子 |
Research on vulnerabilities for Typhoon loss models(台風損失モデルに資する脆弱性評価に関する研究) | 西嶋一欽 |
風害対策に関する指導助言および資料等の作成 | 丸山 敬 |
メタボリズム耐震橋脚構造のプレキャスト部材性能検証 | 高橋良和 |
シャッターの飛来物に対しての衝撃実験 | 丸山 敬 |
佐世保市ダム長寿命化計画概略検討に係る水力開発検討資料の整理 | 井上素行 |
ウインドウフィルム貼ガラスのJIS R 3109に基づく防災性能(耐衝撃性能)評価 | 丸山 敬 |
地震波や電磁波など波動現象のフルウェーブフォーム解析による探査法の研究 | 三ヶ田 均 |
長大PC斜張橋の耐風性評価 | 八木知己 |
岩木川発電所の持続活用に関する基礎的な調査検討業務 | 井上素行 |
土・水(飽和・不飽和)・熱連成解析手法の研究(2019年度) | 張 鋒 |
大飯地区建設予定地周辺の数値流体計算による気流性状の解明調査 | 丸山 敬 |
補強土壁における補強材引抜きメカニズムと性能評価に関する研究 | 澤村康生 |
ドップラーライダーによる観測記録を用いた複雑地形上の気流性状の解明 | 丸山 敬 |
2018年インドネシア・スラウェシ島地震における地盤流動の流動速度に関する検討 | 一井康二 |
(2019)レンガ積み試験体載荷実験の再現解析に関する研究 | 古川愛子 |
交点部を有する2本のケーブルの張力算定に関する研究 | 古川愛子 |
美浜地区建設予定地周辺の数値流体解析による気流性状の解明調査 | 丸山 敬 |
高浜地区 建設予定地周辺の数値流体計算による気流性状の解明調査 | 丸山 敬 |
自立式矢板護岸の地震時大変形挙動に対するFLIP TULIPの適用性検討 | 上田恭平 |
並列ケーブルの風洞実験に関するアドバイス業務 | 八木知己 |
実橋梁におけるケーブル空力振動計測と制振効果の評価に関する研究 | 八木知己 |
崩壊・土石流による土砂流出の時空間分布の予測法 | 江頭進治 |
建築設備用ポリエチレンパイプシステム製品の耐震性評価 | 清野純史 |
海中用音源装置および自律型海中無人航走体を用いた海洋観測についてのシミュレーションをとおした調査研究 | 三ヶ田 均 |
地殻ガス化学と電磁探査の統合による地熱発電に適した生産井の掘削位置の特定 | 小池克明 |
地中レーダによる地下構造の可視化精度の大幅向上 | 小池克明 |
断層横断する水道配水用ポリエチレン管の耐震性評価 | 清野純史 |
水理模型実験及び数値シミュレーション | 中谷加奈 |
ケニア国モンバサゲートブリッジ建設事業詳細設計業務(QCBS) | 八木知己 |
防災シャッターの研究開発 | 丸山 敬 |
(2)災害の防止並びに軽減に関する研究の助成並びに知識の普及に係る
事業に対する支援
①奨学寄附
災害の防止並びに軽減に関する研究助成の一環として、下表のとお
り奨学寄附を行った。
寄附先 | 件数 | 金額(円) |
---|---|---|
国立大学法人 京都大学 | 4 | 3,200,000 |
国立大学法人 九州大学 | 1 | 400,000 |
国立大学法人 新潟大学 | 1 | 2,800,000 |
計 | 6 | 6,400,000 |
②知識普及事業の強化
「研究報告第43号」の原稿執筆等謝金を支給するために必要な資金
704千円を知識普及事業へ繰り入れた。
III 総務事項等 令和2年3月31日現在
1.会議等の開催
(1)評議員会
令和元年6月18日(火) 開催(メール審議)
(2)理事会
令和元年5月14日(火) 開催(メール審議)
令和2年3月17日(火) 開催(オンライン方式)
(3)委員会
①業務運営委員会(奇数月の第2金曜日)年6回開催
但し、1月は第3金曜日に開催
※今年度についてはコロナ禍によりメール審議にて開催
2.評議員・役員等
(1)評議員[4名]
評議員会会長 渡邊英一
評議員 澤 孝平
〃 中村嘉次
〃 水原邦夫
(2)役員[理事5名、監事2名]
理事長 嘉門雅史
総務理事 水山高久
会計理事 中川 一
理事 池淵周一
〃 石原和弘
監事 岡田憲夫
〃 田村京市
(3)研究員
常勤研究員 2名 非常勤研究員 139名
〒606-8226
京都市左京区田中飛鳥井町138番1
TEL 075-711-4797
FAX 075-711-4646
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